使い終わったさやを使い切る。バニラシュガーと二次利用
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温浸出に使ったさやを捨てていませんか。 香りはまだ残っていて、もう一段使えます。
アングレーズやアイスを毎週炊く店なら、さやは月に数十本たまります。 回す先を決めておくだけで、実質の原価が変わります。
まず洗って、完全に乾かす
再利用の成否は、ここでほぼ決まります。
牛乳やクリームに使ったさやには、乳脂肪や卵が付いています。 流水で洗い落としてください。 付いたまま乾かすと、そこから傷みます。
洗ったらざるに広げ、風通しのよい場所で 2〜3 日かけて乾かします。 急ぐ場合は 60℃ほどのオーブンで様子を見ながら乾かしても構いませんが、 高温にすると残った香りまで飛びます。
完全に乾いたことを確認してから次に進んでください。 水分が残ったまま砂糖や酒に入れると、カビの原因になります。 判断に迷ったら表面の白いものはカビかを参考にしてください。
バニラシュガー
いちばん簡単で、使い道も広い回し方です。
乾いたさやを 2〜3cm に切り、密閉容器のグラニュー糖に埋め込みます。 グラニュー糖 1kg に対してさや 4〜5 本が目安。
2 週間ほどで香りが移ります。途中で 1〜2 度、容器ごと振って混ぜてください。
使ったぶんだけ砂糖を足していけば、さやを替えずに使い続けられます。 半年ほどは持ちますが、香りが弱くなってきたらさやを入れ替えます。
使い道は広く、
- 粉糖に混ぜて焼き菓子の仕上げに振る
- クッキーやサブレの配合の一部を置き換える
- ホイップクリームに使う
- 店頭で商品として出す
粉糖に混ぜる場合は、さやを取り除いてからミルで一緒に挽くと均一になります。
生地に使うときは、焼き菓子でバニラの香りを残すで書いた 「砂糖に香りを移してから使う」工程がそのまま省けることになります。
エクストラクトに追い足す
すでにエクストラクトを仕込んでいるなら、乾かしたさやをそこへ足していきます。
一度炊いたさやでも、アルコールに漬ければ香りは出ます。 新品のさやほど強くはありませんが、減ったぶんを補うには十分です。
漬け込み用の瓶をひとつ決めて、乾いたさやが出るたびに入れる。 使ったぶんだけ蒸留酒を足す。 これだけで、エクストラクトを買わずに回せるようになります。
最初の仕込み方はバニラエクストラクトの作り方に書きました。 度数 35 度以上の蒸留酒を使い、2 か月ほどおいてから使い始めます。
バニラパウダー
完全に乾かしたさやをミルで挽くと、黒い粉になります。
種の粒とは違う、細かい黒い点として生地に散ります。 アイスクリームやガナッシュに混ぜると、見た目の情報が増えます。
ただし乾燥が甘いと挽けません。 指で折ってぱきっと折れる状態まで乾かしてから挽いてください。 挽いたあとは湿気を吸うので、密閉して短期間で使い切ります。
衛生上の注意
再利用で気をつけるのは、乾燥不足の一点です。
洗ったさやに水分が残ったまま砂糖や酒に入れると、 そこから傷みます。砂糖は水分を吸うので、 容器の中で局所的に湿った塊ができ、そこがカビの起点になります。
判断は簡単で、指で折ってぱきっと折れるまで乾かすこと。 曲がるだけで折れないなら、まだ水分が残っています。
容器も、洗って完全に乾かしたものを使ってください。
保存期間の目安
| 二次利用 | 目安 |
|---|---|
| バニラシュガー | 半年ほど。香りが弱くなったらさやを入れ替える |
| エクストラクト | 継続可。減ったぶんに酒とさやを足していく |
| バニラパウダー | 挽いたら短期間で使い切る。湿気を吸う |
バニラシュガーは、砂糖を足しながら使い続けられます。 容器を 2 つ用意して、片方を熟成中、片方を使用中にすると回転が途切れません。
店頭で売る場合
バニラシュガーを商品として販売する場合は、 一般的な食品表示のルールが適用されます。 原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者の表示が必要です。
自家製エクストラクトについては、 酒類にあたる可能性があるため販売はできません。 店内での調理に使う範囲にとどめてください。
回転する量になるサイズ
この循環が意味を持つのは、さやが継続して出る量を使っている場合です。
月に数本しか使わない店では、さやが溜まる前に香りが抜けます。 100g(30〜35本)を ひと月で使い切る規模なら、バニラシュガーは常時回せます。
500g や 1kg を主力に据えている店では、 エクストラクトの自家仕込みまで含めて現実的になります。
使い終わったさやを回した場合、実質の原価がどれだけ下がるかは バニラの原価はいくらかで計算しています。
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