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Vanilla Studioインドネシア産バニラビーンズ
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10kg以上のバニラを受け入れる。検収と保管の設計

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100g を月に一度買う店と、10kg を年に二度受ける工場では、 バニラという素材の扱いがまるで別物になります。

1g あたりの単価は下がります。 ただし 下がった単価を打ち消すのは、たいてい保管中の劣化です。 届いてからの設計を先に決めておく話をします。

数量の感覚をつかむ

さや 1 本はおよそ 3g です。ここから換算すると、

数量おおよその本数
10kg3,000〜3,500本
20kg6,000〜7,000本
30kg9,000〜10,000本

さやの長さと太さは 1 本ずつ違うため、同じ重量でも本数は前後します。 数えて確認するものではありません。 重量で受け、重量で管理してください。

段ボールにすると、10kg で数箱ぶんの容積になります。 軽いわりに嵩があるので、置き場所は重さではなく面積で考えます。

開封する前に見る

到着したら、袋を開ける前にやることがあります。

  1. 外装の破損を見る……穴、濡れ、潰れ。輸送中の事故はここに出ます
  2. 真空や脱酸素剤の状態を見る……真空が抜けていないか、脱酸素剤が変色していないか
  3. 箱ごとの重量を控える……納品書と合っているか
  4. ロット番号と入荷日を記録する……あとで何かあったとき、これが無いと遡れません
  5. 写真を撮る……開封前の状態。異常があった場合の唯一の証拠になります

ここまでは 10 分で終わります。 省くと、問題が起きたときに何も言えなくなります。

抜き取りで検品する

全数を見ることはできません。箱ごとに数本ずつ抜いて確認します。

見るのは次の点です。

  • しなやかさ……指で巻いて折れないか。乾きすぎていないか
  • 表面……白い付着物があれば、結晶かカビか判別する
  • におい……かび臭、酸っぱいにおい、油の劣化臭がないか
  • 断面……1 本だけ裂いて、種が詰まっているか見る
  • 長さのばらつき……極端に短いものが混ざっていないか

白い付着物は、多くの場合バニリンの結晶です。 針状で、こすっても広がらないもの。 綿状にふわりと広がり湿っているものはカビです。 判別の基準は 表面の白いものはカビかに表でまとめました。

箱の底も見てください。 湿気は下に溜まります。 上から数本抜いて終わりにすると、底で進んでいた変化に気付くのが数週間後になります。

届いたその日に小分けする

大口で最も効くのがこの工程です。

10kg の袋を開けたまま使い続けると、残りの全量が空気に触れ続けます。 最後の 1kg を使う頃には、最初とは別物になっています。

到着したその日に、1 か月で使う量ずつ小分けしてください。 月に 2kg 使うなら 2kg ずつ、5 袋に分ける。

  • 真空機があれば真空で。無ければ厚手の袋に脱酸素剤を入れて密閉
  • 袋には 入荷日・ロット・重量 を書く
  • 開けるのは 1 袋だけ。残りは動かさない

この一手間で、半年後の状態がまるで変わります。 保存の基本は バニラビーンズの保存方法に書いています。

置き場所の条件

大口になると、厨房の棚には収まりません。倉庫や別室に置くことになります。

温度の絶対値より、変化の小ささが効きます。 昼と夜で 10℃ 動く場所より、年間を通して 25℃ で安定している場所のほうが向いています。

  • 床に直置きしない……湿気は下から来ます。パレットか棚に上げる
  • 外壁沿いを避ける……日射で温度が動きます
  • においの強いものと同じ部屋に置かない……香辛料、洗剤、段ボールの新しいにおいまで移ります
  • 冷蔵庫に入れない……出し入れのたびに結露します
  • 直射日光を入れない

においの移りは、大口ほど深刻です。 少量なら数週間で使い切りますが、半年置くものは周りのにおいを吸い続けます。

先入れ先出しを崩さない

ロットが二つ以上ある状態が、大口では普通に起きます。

新しいロットを手前に置かないこと。 棚の並べ方だけで、古いほうが残り続ける事故が起きます。

やることは単純です。

  • 袋に入荷日を書く
  • 古いほうを手前に置く
  • 開封したら開封日も書き足す
  • ロットが変わったら、仕込み記録にもその日を残す

最後の項目が効きます。 「この日から香りが変わった」を後から説明できるのは、この記録があるときだけです。 産地や品種の表示をラベルに書いている場合は、切り替えのたびに見直しが要ります。 表示の考え方は 「バニラビーンズ使用」と書ける条件にまとめました。

一度に持たない、という選択

まとめるほど単価は下がりますが、下がり方は途中から緩やかになります。 一方で、保管の負担と劣化のリスクは数量に比例して増えます。

そこで現実的なのが 分納です。 収穫期に必要量を確保しておき、納品は月ごと、あるいは四半期ごとに分ける。 価格はまとめた数量で決め、手元の在庫は使い切れる量に保てます。

バニラは収穫が年に一度で、産地の作柄によって手に入る量が変わります。 必要な時期と量が決まっているなら、 足りなくなってから探すより、先に押さえて分けて受け取るほうが安く付きます。 相場が動く仕組みは バニラが高い理由で説明しました。

受け入れ前に決めておくこと

まとまった数量を初めて受けるなら、発注する前にこれだけ決めておいてください。

  • 置き場所(面積・温度・においの有無)
  • 小分けの単位と、その作業をする人・日
  • 検収の担当と記録の残し方
  • 使い切る見込みの月数

当店では 10kg 以上の大口と、分納でのお届けを承っています。 グレードや水分状態のご指定、規格書のご用意も可能です。 お問い合わせからご相談ください。 買い付けの背景は産地とつくり手に載せています。

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