バニラビーンズを自分で輸入するか、国内で買うか
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「産地から直接買えば、もっと安いのでは」
まとまった量を使うようになると、必ず一度は検討する話です。 結論から言えば 成り立つ場合はあります。 ただし、比べるべき費目が想像より多い、というのが実際のところです。
何が必要になるか
食品を輸入する場合、輸入者が食品衛生法上の責任を負います。 これがいちばん大きな違いです。国内で買えば、その責任は売り手側にあります。
手続きとして最低限出てくるのは次のものです。
- 食品等輸入届出……検疫所へ提出します。初回は書類の準備に時間がかかります
- 通関……税関への輸入申告。通関業者に依頼するのが一般的です
- 関税と消費税……税率は品目の分類で決まります。事前に確認できる制度があります
- 植物検疫の要否確認……品目と状態によって扱いが変わるため、植物防疫所への確認が要ります
分類や検疫の要否を自己判断で決めないでください。 通関の段階で止まると、保管料が日割りで積み上がります。
金額に乗ってくるもの
さやの現地価格だけを国内価格と比べると、まず合いません。 実際に乗るのは次のような費目です。
| 費目 | 見落としやすい点 |
|---|---|
| 輸送費 | 航空便は高く、海上便は時間がかかる。少量ほど単価が上がる |
| 通関の手数料 | 1回いくら。数量が少ないほど不利になる |
| 検査費用 | 自主検査を行う場合。ロットごとに発生 |
| 保管料 | 通関が長引くと日数で積み上がる |
| 為替 | 発注から決済までの数か月で動く |
| 前払い | 産地との取引は前払いが多く、資金が先に出る |
少量では単価が上がる構造になっています。 1 回いくら、で決まる費目が多いためです。
止まったときが重い
いちばん見積もりにくいのがここです。
輸入した食品は、検査の結果によっては流通させられません。 その場合、積んだ費用がまるごと戻らないことになります。
自分が輸入者である以上、その判断と損失を引き受けるのは自分です。 国内から買っていれば、この部分は売り手側の負担でした。
年に 1 回の輸入で、そこに賭けられるかどうか。 規模が小さいほど、この一回が重くなります。
時間がかかる
バニラは収穫が年に一度です。
産地に問い合わせ、条件を詰め、送金し、船に載せ、通関する。 ここまでで数か月かかります。 はじめての取引なら、必要な時期の半年以上前から動くことになります。
在庫を切らしてから動ける手段ではありません。 そもそも相場が動きやすい素材でもあります。 その仕組みは バニラが高い理由に書きました。
品質をどう担保するか
写真とサンプルだけで数十 kg を決める、という点も難しさのひとつです。
- 送られたサンプルと、実際に届くロットが同じとは限らない
- 現地の「グレードA」は、売り手ごとの基準です
- 到着してから違いが分かっても、返す手段が実質的にありません
サンプルの見方と、ロット内のばらつきの確認方法は バニラのサンプルを取り寄せて比べるにまとめました。 グレード表記の読み方は グレードAとプラニフォリア種に整理しています。
届いてからの負担も増える
大きなロットが一度に届くので、保管の設計が必要になります。
- 置き場所(面積・温度・においの有無)
- 到着日に月ぶんへ小分けする作業
- 検収と記録
このあたりは、輸入でも国内調達でも同じように必要です。 手順は 10kg以上のバニラを受け入れるにまとめました。
比べるための表
| 自社で輸入 | 国内から買う | |
|---|---|---|
| さや自体の単価 | 低い | 輸入より高い |
| 手続き | 届出・通関・検疫の確認が要る | 不要 |
| 食品衛生法上の責任 | 自社が負う | 売り手が負う |
| リードタイム | 数か月 | 短い |
| 最低ロット | 大きい | 小さくできる |
| 品質が違ったとき | 引き受ける | 相談できる |
| 資金 | 前払いで先に出る | 都度 |
検討に値する規模
目安として、年間の使用量が数十 kg を超え、毎年その量が読めるなら、 一度は計算してみる価値があります。 逆に年間で数 kg の規模では、乗ってくる固定費のほうが大きくなります。
現実的なのは、中間の選び方です。 輸入そのものを引き受けなくても、まとまった数量を収穫期に確保し、 納品を月ごとに分けてもらう形なら、単価と在庫の両方を抑えられます。
当店ではインドネシアの契約農家から直接買い付けており、 5kg 以上の数量や 10kg からの大口、 分納でのお届けも承っています。 グレードや水分状態のご指定、規格書のご用意も可能です。
年間の使用量が読める場合は、収穫期に合わせて手当てできますので、 お問い合わせから必要な時期と量をお知らせください。 どこから、どう買い付けているかは産地とつくり手に載せています。
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